実際に観測したものは何か
以下は、日本時間2026年10月4日に市場データのツールから取得した最新約定の記録だ。約定時刻を米国東部夏時間へ直すと10月2日の時間外取引を含む。したがって、これは通常取引の公式終値を確認した表ではない。Nasdaqのページは公開されている上場・価格の参照先であり、ツールが返した全数値の取得元をNasdaqだと主張しているわけでもない。情報会社によって取引時間、調整方法、更新時刻は違う。この教材では観測した時点を残し、常時更新される相場表示として扱わない。
| 銘柄 | 最新約定、米ドル | 約定時刻、UTC | 約定時刻、米国東部夏時間 |
|---|---|---|---|
| SNDK | 1,719.99 | 2026-10-03 00:15:00 | 2026-10-02 20:15:00 |
| BE | 289.15 | 2026-10-02 23:59:39 | 2026-10-02 19:59:39 |
| AAOI | 115.59 | 2026-10-03 00:15:00 | 2026-10-02 20:15:00 |
| MU | 1,074.89 | 2026-10-03 00:15:00 | 2026-10-02 20:15:00 |
公開の観測記録は日付付きスナップショットに保存した。取得手段と時間外取引に関する境界も含めている。この章では連続した過去の価格系列を取得していない。そのため、以下の値動きは計算を学ぶための仮想例であり、これら四銘柄の実際の推移を再現したグラフではない。
株価、時価総額、企業価値は違う問いに答える
一株の価格は、持分を何単位に分けているかに依存する。株式分割によって一株の価格が変わっても、所有している経済的な割合がそのままなら、分割だけで事業の価値が増えたことにはならない。会社同士は、一株のドル価格で高い安いを判断せず、時価総額と財務の分母を合わせて比較する。時価総額は価格と、その観測日に対応する発行株数を掛けたもの。企業価値は一般に負債などの請求権を加え、対象となる現金を引くが、調整項目の定義も確認する。
決算の一株当たり利益に使われる希薄化後の加重平均株数は、ある日現在の時価総額に使う株数と一致するとは限らない。サンディスクの通期GAAP利益と、価格情報会社の利益指標が違う場合も、会計年度、直近十二か月、調整項目のどれが違うのかを調べる。都合のよい値を選んで一致させない。赤字企業の負のPERを、通常の割安ランキングに入れても意味を読み取りにくい。売上倍率で代用しても、利益率や追加資金の必要性は解決していない。
収益率と下落率を、自分で計算する
価格が100、140、110、125と動く仮想的な系列を考える。最初は40%上がり、次に約21.43%下がる。最後の値は最初の値に対して25%上昇している。しかし最後の時点では、それまでの高値140から約10.71%下がっている。この系列の最大下落率は、140から110へ落ちた約21.43%だ。二つの日時を選んで比べる収益率と、過去の最高値からの落ち込みを測る下落率は、答える問いが違う。
- 1取引時間と調整方法を選ぶ
- 2日付を揃える
- 3収益率を計算
- 1その時点までの高値を追う
- 2現在値と比較
- 3下落率を計算
- 1配当と企業行動を反映
- 2一貫した総収益の系列を作る
50%の損失を取り戻すには、残った価格から100%上がる必要がある。100から50へ落ち、その後50%上がっても75にしかならない。期間ごとの単純な収益率は足し算できず、成長倍率を掛け合わせる。この性質を理解すると、企業の事業に強い成長要因があっても、購入時に織り込まれた期待が高ければ大きく損失を受け得ると分かる。ここで四銘柄の実際の過去リスクを測定したわけではない。
実際のチャートを作るための手順
今後、実際の履歴を比較するなら、利用条件が確認できる日次系列を取得し、情報会社と取得時刻を残す。調整済み価格か未調整価格かを意図して選び、分割と配当の扱いを固定する。比較の開始日と終了日を先に決め、営業日と通貨を揃える。観測が欠けていたら欠けていると示す。価格がない場所を想像したトレンドで埋めず、前の価格を繰り返した線を実際の取引だと扱わない。
価格と決算は別の時間軸で並べる。四半期決算は終了した期間の結果であり、株価はさらに先の期間を予想して動くことがある。開示日、製品発表、増資、顧客認定の出来事は印を付けられるが、近くで値動きしただけで一つの出来事が原因だったとは断定できない。実際の過去収益を主張するには、系列そのものと調整の方法が必要だ。この章は時刻付きの観測を出発点に、何をまだ計算できないかまで明確にする教材である。
円で見る人には為替という別の成長倍率がある
ドル建て価格が10%上がり、同じ期間に円で測ったドルの価値が5%下がる仮想例を考える。円建ての倍率は1.10×0.95で1.045となり、為替と価格だけを考えた収益率は4.5%になる。10%から5%を引いた5%とは少し違う。さらに取引費用、税、配当の扱いは別の計算が必要だ。この例も現在の為替や特定銘柄の実績ではない。値動きを比べる時に、どの通貨で何を測ったかを指定するための練習である。
時間外の価格には、通常取引とは違う売買の厚さが関係することがある。一つの約定は、その価格で希望する数量をいつでも取引できる約束ではない。教材の時刻付き表から、次回更新との差額は計算できるが、途中の高値、安値、最大下落率は分からない。二つの観測点をつなぐ線を作っても、間の履歴を取得したことにはならない。
VALUATION / 仮想的な入力
一つの前提で、評価はいくら変わるか。
仮想モデル:現在の年間現金500百万、負債1,000百万、現金200百万、希薄化後100百万株。EV = 現金 × (1 + g) / (r − g)、株式価値 = EV − 負債 + 現金。直ちに永久成長する仮定で移行期間や他の請求権を省きます。特定企業の入力や目標株価は使っていません。
出典
01自分のノート